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イラスト:作中のラーメン屋「ワール堂」(東京都渋谷区にあるとされる)でラーメンなどを食べるDrive to Pluto 左から、田邊徳仁、秋山聖、青野理史

1月の月報です。

  • 寒中見舞いを配信した
  • 進捗晒し用Discordサーバーを立てた
  • 『Solarfault, 空は晴れて』のレビューを頂いた

いままでの活動報告はタグ: 今月の活動報告 をご覧ください。


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イラスト

時系列順に掲載します。

 

X 小説『Cipher』

イラスト:X 小説『Cipher』登場人物 暦に関わらず人々の一度きりの人生が何にもおびやかされず何も侵害することもなく楽しい日々でありますように。

X / 小説『Cipher』登場人物

12/31夜に描いたので、先月の記事ではなくこちらに含めます。

作中の年代(西暦)が不詳のため流行の服は分からないが、2020年代現在から見たときにややレトロな印象を受けるだろうという感じでした。

 

FA:きまぐれよそのこワンドロ

企画に参加して4件描きました。

作品一覧はこちら(投稿日絞り込み タグ検索)

https://twitter.com/search?q=(%23%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%81%90%E3%82%8C%E3%82%88%E3%81%9D%E3%81%AE%E5%AD%90%E3%83%AF%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%88)%20(from%3Amtn_river)%20until%3A2024-01-04%20since%3A2024-01-01&src=typed_query

いままでの投稿作などはこちら

https://twilog.togetter.com/mtn_river/search?word=%23%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%81%90%E3%82%8C%E3%82%88%E3%81%9D%E3%81%AE%E5%AD%90%E3%83%AF%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%88&ao=a

 

らくがき:環-Tamaki-

創作バンド 環-Tamaki- 紹介

Vo./Ba. カシマ( ^▽^ )
Vo./Gt. 土家(初日の出)
Gt. 弟子丸(長袍)

初日の出(https://misskey.design/notes/9o13wuxtvi)

弟子丸(https://misskey.design/notes/9o1hborcdt)

照れ丸(https://misskey.design/notes/9o2acofe5r)

なんとなく龍モチーフ描いとけばいいかなという雑な動機。さすがに長袍はなんかマンガっぽすぎるよね。

 

寒中見舞い 小説『Drive to Pluto』

イラスト:作中のラーメン屋「ワール堂」(東京都渋谷区にあるとされる)でラーメンなどを食べるDrive to Pluto 左から、田邊徳仁(みそラーメン)、秋山聖(取皿でみそラーメン)、青野理史 (麻婆ラーメン)

創作バンド Drive to Pluto 紹介

Dr. 田邊(みそラーメン)
Vo./Gt. 聖(取皿)
Ba. 青野(麻婆ラーメン)

詳しくは寒中見舞いの記事をご覧ください。

楽しかったです。受け取ってくれた皆様 ありがとうございました。

(1/20追記)2024年寒中見舞い ネットプリント配信

 

FA:スカーレットさん(little black dress)

創作バンド little black dress Vo.スカーレットさん
原作者:小町紗良さん @srxxxgrgr@misskey.design

イラスト:スカーレットさん 創作バンド little black dress 作者:小町紗良さん
https://misskey.design/notes/9oe8vsn7mh

イラスト:スカーレットさん 創作バンド little black dress 作者:小町紗良さん
https://misskey.design/notes/9oewhnv6bn

イラスト:シェフのミリしら台湾まぜそば「お飲み物は何を?」「真っ黒い烏龍茶がいいわ」 左(食べる人)・スカーレットさん 創作バンド little black dress 作者:小町紗良さん/右(作る人)・0 小説『Cipher』作者:山川夜高
https://misskey.design/notes/9oijd2gcy6

今年のお誕生日祝いは日めくりスカーレットちゃん詰め合わせセットでした。

3枚目は0(小説『Cipher』)のミリしら台湾まぜそば(スカーレットちゃんは台湾まぜそばが好き・公式設定)

 

2023年のガチャはこちら。まだまだ無料∞連ガチャ開催中

リリース:小町紗良誕生日PUガチャ

 

らくがき:JAZZの日 ジャズマス・ジャズベ

イラスト: 左・明日未 This Earth Is Destroyed Vo./Gt. ジャズマスター/右・青野 Drive to Pluto ジャズベース

左:明日未・創作バンド This Earth Is Destroyed Vo./Gt. 紹介
ジャズマスター オリンピックホワイト(黄色みを帯びたオフホワイト)

右:青野 Drive to Pluto Ba.
ジャズベース アークティックホワイト(色温度の高い白)

Ja.22 = JAZZ の日みたいです。

らくがきなのでプロポーション等が微妙ですが、明日未ちゃんのジャズベ(白)と青野のジャズベ(白)の比較を描いたことがなかったので、この機会に描けてよかったかなと。

 

らくがき:シュー

イラスト:シュー(小説『シュー』登場人物)

すごく昔に書いていた小説の登場人物です。

リライト予定はあります。いつかちゃんとした形でまた会えると思います。


作品レビューを頂いた

同人文芸誌『The Typewriters 第四号』の同人小説レビューのコーナーで、『Solarfault, 空は晴れて』をご紹介頂きました。こちらは昨年2023年末のコミケ新刊でしたが、私の都合で内容の紹介が遅れて申し訳ないです。

内容は装丁から小説本文に至るまでベタ褒めで驚きました。同人文芸誌『The Typewriters』の読者層と私の読者層は重ならなそうなので、こうして別クラスタに作品が届いたことを嬉しく思います。

写真:『The Typewriters 第四号』(2023年12月31日発行 )p.150 同人小説レビューに『Solarfault, 空は晴れて』が掲載されたときの紙面

The Typewriters Book Review 『Solarfault, 空は晴れて』

ジャケ買いとでもいうのだろうか、手に取るきっかけは、今年(二〇二三年)の二月のコミティアで、出展スペースが隣り合ったことだった。その際は旅行記を購入したのだが、本当に同人誌か? と、ビビるくらいのクオリティーの高さに圧倒された。だから後日小説の方も手に取るしかなかった。作者は印刷会社の元DTPデザイナーだそうで、装幀に関しては納得の出来栄えといえるだろう。

圧倒的にレベルの高い装幀センス、天・小口・地の三方の青の小口染めの綺麗さ、個人的な偏見ではあるのだが、装幀やデザインに気を回せる人は、本文の内容のレ

ベルが高いというのが持論である。

この作品は二〇一二年から二〇一六年に発表された小説シリーズ『Solarfault』に書き下ろし作品『空は晴れて』を追加した再録総集編となっている。

物語は「ぼく」を中心として、色々な登場人物と「エクリ」さんという恋人をめぐる物語と解釈できる。登場人物の、何とも言えない地に足のつかない部分がこの物語の肝(キモ)なので、実際に読んで欲しい。

小説の文体も透明感が高く淡々としているため、いい意味で癖がない。だから小道具が活きてくる印象がある。短いながらもボディがしっかりしている読後感というのだろうか、リテラリーフィクションとしてもなかなかの腕前で、本当にアマチュアなのだろうか? と思わせる。

個人的には巻末に使用書体や用紙の記述があるので、非常に参考になり、ありがたかった。買って損はない一作。

レビュアー:ロナルド始澤(編集長)

『The Typewriters 第四号』p.150

 

書籍もご恵投いただきました。巻頭企画のデザイナー・編集者のPOO松本さんのインタビューが面白かったです。一次創作文芸誌がもっと売れるようになるには、という具体的な問立てを行っていて、自分も襟を正されました。

 

『The Typewriters 第四号』の通販はメロンブックスから。
コミティア・文学フリマ東京・コミケなど、東京都内の同人誌即売会でも出店されると思います。

『The Typewriters 第四号』

The Typewriters 編集部(サークル:MOZA MOZA)
Twitter @TheTypewritersM, note

2023年12月31日発行

通販:メロンブックス

 

『Solarfault, 空は晴れて』の情報はこちら。

『Solarfault, 空は晴れて』

2012年〜2016年発表の小説シリーズ「Solarfault」に書き下ろし作品「空は晴れて」を追加した再録総集編。

虚実の隙間に飲み込まれる信用できない語り手の「作家」と、「記述(エクリ)」と呼ばれた恋人が繰り返しすれ違いまた引き合う、作家の「」を描いた虚実のあわいの恋愛小説

書籍情報

2022年11月20日 初版発行
新書判(110×182mm)・192ページ・小口染加工

2022/11/20(日)開催のイベント・文学フリマ東京35に出店します。
詳細は上記リンク先をご覧ください。

通販で購入する

BOOTH・架空ストアで11/20(日)9:00以降販売します。

 

この度は素晴らしいご縁をいただきありがとうございました。


Discordサーバーを立てた

作業通話に使用していたサービス「mocri」のサービス停止が決まったので、別の場所を立てることにしました。

ロゴ:喫茶マウンテンリバー

喫茶マウンテンリバーです。

知り合いの方は、急に「喫茶マウンテンリバーへの招待」が来て驚かれたかと思います。正体は作業用&雑談用のDiscordサーバーです。

 

GitHubの小説リポジトリと連携した

スクリーンショット:Discordサーバー「喫茶マウンテンリバー」内、進捗公開用チャンネル

小説の原稿をGit管理 → GitHubのリモートリポジトリにpush → push通知を知らせるBOTをチャンネルに作成して、小説を書いていることを監視されるシステム を作りました。

Webhookの設定だけで出来たので、導入は簡単でした。

https://mekurun.com/tips/discord-github/

適度な緊張感があって良いのではないかと思います。

手書き原稿の場合は手動で進捗を投稿することになりそうです。

 

というわけで小説を書いています。いつ発表できるかはわかりません。最初は4000字ぐらいのさっくり読める奴にしたかったんですが、多分20000字行くコースですね。『東京、東京』のあとがきでも似たようなこと言ってなかったっけ。

スピンオフ小説「東京、東京」

 

参加方法

現在はクローズドに運営しています。メンバー募集開始時には、この記事とは別にブログに記事を書きます。

招待URLはおそらくFediverseで @mtn_river@misskey.design をフォローしている方限定での公開になりそうです。(フォロワー限定公開の権限でリンクを投稿)

Twitter相互フォローの方やお知り合いには個別に招待リンクを送りますので、DMでご連絡ください。

すでに @mtn_river@misskey.design をフォローしている方も、招待リンクが必要な方はDMをください。

Discordのフレンドには、DMでご連絡を頂いたら招待をお送りします。

 

ロール(2024/01/29現在)

everyone:(デフォルト設定)テキストチャンネル投稿可、ボイスチャンネルの試聴可(発言不可)、チャンネル新規作成不可

speaker:everyone + ボイスチャンネルの発言可
山川の知人またはSNSのフォロイーに手動付与

channelMaker: speaker + チャンネル新規作成可
進捗を監視されるチャンネルを作りたい人に手動付与


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日記

 

アイディア:一次創作文芸がもっと読まれるには

ここ数ヶ月ちょうど考えていたことを『The Typewriters 第四号』の内容も踏まえて書き出してみた。

 

(1) ポイントを分ける必要がある。

A:「私の作品がもっと読まれるには」

B:「小説、とくに娯楽を目的としない純文学が、読書に慣れていない人にも読まれるには」

 

(2) A:自分のファンを増やすには

※「本文のクオリティを上げる」は自明なので除外

A-1:書籍の佇まい(見た目・肌触り・サイズ感)の印象を良くして、ジャケ買い欲を刺激する
→たぶん出来ている

A-2:イラスト等の他ジャンルの作品を発表し、イラスト・キャラクターデザインから作品に興味を持ってもらう
→ イラストのファンから更に書籍へ手を伸ばしてもらう
→ 小説ジャンルが敬遠されないために、Bの施策をとる

A-3:イベントの店頭でパッと見たときに面白そうに見えるフックを用意する
→ 自分はこれが下手である。あと自分が作家自身なので、「倫理的に自分で購買意欲をそそるキャッチコピーを書きづらい」というのもある。だからキャッチーさについては一旦置いておく。

A-4:そもそも娯楽を提供しない作品なので面白くない。
→ Bの施策で、「純文学は面白い」と啓蒙する。啓蒙しまくれば単純接触効果で「面白い」って思ってくれるんじゃないかなと期待。

A-5:販路の拡充(書店委託など)。A-3同様に一旦後回し。

 

(3) B:小説ジャンル自体の読者を増やすには

「読書のやり方」の啓蒙記事をこれからこのブログで書きたい。
例えば「文章を読みながら視聴覚的イメージを浮かべなくていい」「分からないところは読み飛ばしていい」「通読しなくていい」など。

A-2(キャラクター戦略)と合わせて、例えば小説の登場人物によるオススメ本の紹介記事も書ける。
架空のロックバンドの作詞家(Drive to Pluto 青野、SIGNALREDS 小澤、This Earth Is Destroyed 明日未、環-Tamaki- 土家)は読書家という設定があり、自分の楽曲の援用元作品の紹介という体で記事を書くとか。

 

(4) A, B ともに:批評は必要である。

批評が「嫌がらせや心無いダメ出し」ではなく「作品を多角的にとらえて、新たな意義を見出す建設的な営み」であると、まずは誤解を解く必要がある。

本来作家と批評家は別の立場だが、アマチュアの場合、アマチュア領域の批評にまで手が回る批評家はいないので、まずは私が私自身の作品の多角的な要素を紹介したい。例えば、『Cipher』のセルフライナーノーツを書いた。

ライナーノーツ 闇の中の言葉 – Cipher

自分の絵については、去年から、振り返りの記事を書きはじめた。

2023年に描いた絵の反省会

やや話はズレるが……私は「名作」の条件を「作家の意図を越えた意義を携えた作品である」ことだと捉えている。作家が自分で作品を作る前からその作品の全貌を予想できるのであれば、作品を作る必要はない。

 

「批評=非難や否定」というような思い込みは一次創作界隈にはまん延していて、いかなる内容であれ自分の作品へのダメ出しはしないでほしいと願っている人が多い(一次創作者中心のSNS「Misskey.design」でそういうアンケート結果を見た)

だから同様に「作家がその作品に対して気付いていないこと」を指摘する(批評する)ことにも、多くの人が強い反発を覚えるのではないかと思う。※

※注意:「作者が言っていないことを、持論の補強のために作品から幻視する」のは論外である。

 

なので、ひとまずは権利的に問題のない私自身の作品を使って批評を例示してみたい。

この作品は制作当時は気付かなかったが or これまでに頂いた感想でも指摘されたことがなかったがが、(現実社会、世論、先駆作、同世代の作品、著者の別の作品 などに対して)このような効果が現れていると紹介することで、作品の懐深さや読み解くことの楽しさを知らせたい。

 

ここまで色々考えたが、「小説ジャンル自体の読者を増やす」「批評を起こす」などの小説界隈全体に対する施策は、自分にとって直接的な利益はないので、私も面倒だと思ってるし、誰もやりたがらない。

でもこういうことを企てている山川って人を面白がってくれて、ファンが増えたらいいな〜という一縷の楽観的な皮算用でちょっとずつ続けていけたらいいなと思う。でも飽きるというか、疲れて止めそう。私が飽きたらこれを読んでいる人が続きの仕事をやってください。(読者参加型面倒事業)

イラスト:書籍の在庫のダンボールで石抱の拷問を受けるねずみちゃん

読んだ本

『冬の夜ひとりの旅人が』イタロ・カルヴィーノ

『冬の夜ひとりの旅人が』イタロ・カルヴィーノ, 脇功(訳), 白水Uブックス, 2016

内容:小説。「男性読者」がイタロ・カルヴィーノの新作小説『冬の夜ひとりの旅人が』の本を買って読むも、乱丁のせいで冒頭部分しか読めなかった。男性読者は乱丁本を交換してもらうが、交換されたのは全く別の作家の小説本で、そのうえ交換された本もまたトラブルにより冒頭部分で読書が中断される。さまざまな架空の小説の冒頭部分と、男性読者が小説の続きをもとめて奔走するパートが交互に進行する。

架空の小説は、小説の本文をそのまま提示していることもあれば「小説を読んだ『感じ』を小説として」提示していることもある。我々が読んでいるのは「架空の小説そのもの」ではなく、架空の小説を読んでいる「男性読者」というキャラクターの視点や思想のフィルターを通じた『感じ』、というメタ構造が生まれており、それにより作品は作品そのものでなく『作品の感じ』でも作品(の読後感)たりうると気付いたのは目からウロコだった。読書を通じて残るものは「読後感」だけだから、読後感を正確に表現できれば、それは原著を読んだのと同じなのかもしれない。

「架空の小説の冒頭部分集」な本作のコンセプトは、初読時には出オチと思ったが、いま改めて読むと1979年の小説が現在の生成AIに関わる諸問題の領域も思考実験でカバーしていて興味深かった。
それはそうとま〜た男性が女性(ヒロイン)をトロフィーのように取り合ってるよ、セックスを読書に例えんなよ、とかステレオタイプな男性・女性像に問題はあるけれど、でも1979年の作品にしてはよく頑張っていて、というかステレオタイプであることがむしろパロディとして機能しているようにも思えた。架空の小説内にはちょっと露悪的なまでにああいう『感じ』な「架空の東欧の小国の文学」「架空の日本文学」「架空のラテンアメリカ文学」などが含まれていて、架空の日本の小説はやるせない気持ちになった。

(CM:トロフィー扱いされるヒロインに嫌気がさす人には『Solarfault, 空は晴れて』がオススメです)

 

「架空の◯◯」系の創作に興味がある人は一読の価値があると思う。特に、「架空のそれ自体」ではなく「架空のそれを見た『感じ』」を表現しても「架空のそれ」になるというのは本当に発見なので。

この流れでスタニスワフ・レムの架空の書籍批評集『完全な真空』を現在読み途中。

 

『土偶を読むを読む』縄文ZINE(編)

『土偶を読むを読む』縄文ZINE(編), 文学通信, 2023

内容:『土偶を読む』の内容の検証本(原著の発想のスタートは良いものの論理がメチャクチャであるというツッコミ)。

『土偶を読む』の内容は考古学者から見たら明らかに誤りがあるが、明らかすぎる誤りに専門家は誰もわざわざ訂正を入れなかった。『土偶を読む』は専門家である考古学者からは無視される一方で、他分野の知識人や市井の人々から絶賛される状態になり、専門知と専門外・市井の人々のあいだに分断が生まれていた。縄文ZINE代表の望月昭秀氏は「考古学者」ではないが、『土偶を読む』の考古学的な誤りの訂正を「雪かき」に例えて自ら『土偶を読む』の検証を行う。

原著の検証に加えて、近年の縄文時代研究の最新成果の紹介や、縄文時代を扱う日本の考古学・人類学の研究史もあり、縄文時代や考古学の知識がアップデートがされて単に知識としても面白かった。

そして専門知(考古学)を憎んでいるようなトーンで書かれる『土偶を読む』をはじめ、専門知と市井の人々の分断に対して専門家はどうすればいいのか、という苦渋がにじんでいる。

私のレジュメ的なやつ:
https://scrapbox.io/mtnriver/土偶を読むを読む

 

『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』の共著者・小野寺拓也氏、田野大輔氏と望月昭秀氏の鼎談もとても面白かった。

田野氏はTwitterで「源泉徴収はナチスが発明した」という誤った情報を発言する人に対して逐一訂正の引用RTを送る活動をしている。これだけ読むとFF外から失礼するクソリプっぽいが、やはりこれも誰かが訂正をいれない限り浸透し続ける誤りへの抵抗活動で、誰かがやらないといけない雪かきだ。

 

鼎談:
専門知と民主主義を考える――行き過ぎた相対主義の中でーー『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』(岩波書店)刊行記念イベントから

https://bungaku-report.com/blog/2023/12/content.html

 

『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』冒頭PDF
この「はじめに」の段だけでも読む価値が大いにあります。でも一番おもしろいのは数々の検証を経た「おわりに」です。

https://www.iwanami.co.jp/moreinfo/tachiyomi/2710800.pdf

 

この日記に書いた「誰かが批評をやらないといけない」という私の主張や「啓蒙」という言葉選びに対して権威主義を感じて嫌いに思う人もいるかもしれない。だが、やはり「やれる誰かがやらなければならない」と私は思う。啓蒙という言葉はそのレトロな(過ぎ去った18世紀的な)響きゆえにあえて使っている。それは、自分が若者と呼べる年齢を過ぎていることから、これからは知識を受けとり蓄えるだけでなく、知識を欲する他の人に伝承をしていく仕事も負うべきなのではないかと思うからだ。

 

『八王子に隕ちた星 古文書で探る忘れられた隕石』森融

『八王子に隕(お)ちた星 古文書で探る忘れられた隕石』森融, 平凡社 ブックレット〈書物をひらく〉30, 2023

内容:西暦1817年(江戸時代)東京郊外の八王子に隕石が落下した。隕石そのものの資料はほんの小さな欠片しか見つかっていないが、当時の日記などの古文書を調べると、隕石の飛行ルートや爆発の音・光などが驚くほど正確に記されている。

自分は東京都下の出身で、書籍内に登場する地名は非常に馴染み深いが、かつてそのあたりに隕石が落ちたという話は全く聞いたことがなかった。それもそのはずで、肝心の隕石そのものが1片しか見つかっていないのと、本書は3年前に発見されたような新発見の資料の内容を多く含んでいる。

地元の博物館もちゃんと訪問して、足元のことを知らねばと思った。

 

ちなみに偶然にも『暴れん坊将軍』に同じようなエピソードがあるとのこと。

→ 暴れん坊将軍IX 第19話「江戸壊滅の危機!すい星激突の恐怖」

八王子に彗星が衝突する! しかし彗星騒動の裏では悪人たちの陰謀が……みたいな内容らしい。その回のライターは史実の八王子隕石を知らなかったので、舞台設定の一致は全くの偶然だったとか。

天文学的に彗星の描写がめちゃくちゃ間違っているなどのツッコミどころはあるが、そもそも『暴れん坊将軍』なので全体的にそれどころではない。画像検索するとすごい画面が見られます。

 

美術展

国立西洋美術館で「パリ ポンピドゥーセンター キュビズム展 美の革命」を見ました。

殴り書きですが、日記はこちらです。

https://misskey.design/notes/9ovdy9pzyl

 

音楽

ジャズ喫茶で大音量で聴いたクルセイダーズがとても格好良かった。

 

自宅ではサイケデリックフォークを最近聴いている。

 

弟に聞いた話だが、母がヨルシカとYOASOBIの区別がつかず「夜更かし」と言い間違えたらしい。両者のコピーバンドの名前にありそうだと思った。私はヨルシカもYOASOBIも曲を聴いたことがないので母を笑える資格はない。


その他

 

書く方法について

先の段で「作者が言っていないことを、持論の補強のために作品から幻視する」のはやめてくださいと書いたがそれとは違う話。

「書かなかったからといって、思わなかったわけではない」

最近になって私は速報に対して「すぐに」何か書くことを控えている。なぜなら、どのような(誠実な)意見でも、インターネットでは、発言の内容から話者の人格は剥ぎ取られて、なんらかの構造関係をつくる「数」に動員されるからだ。SNSに限った話ではなく、インターネットの検索機能からそのような構造になっている。

『土偶を読むを読む』の感想で専門知とその権威について触れた。巨人の肩に乗って積み上げた専門知を持つ者が注意深く言葉を選んだ発言でさえ、ここでは意見の「数」でしかないように思う。例えば名の知られない素人のSNS投稿は1件につき1ポイント、誰々さんが寄稿したエッセイは1作50〜100ポイント、合計何万ポイントを積めば問題提起足り得ます。というような。

そして、「そのような構造に加担しない」ために発言をしない又は発言をしないと表明する発言もまた(前者に至っては発言をしていないにも関わらず自動的に)、無関心な人や黙殺を企てる人と一緒くたにされて「発言をしなかった人々」の数に動員される。

(私の発言が「数」のうちひとつであることを私が納得できる場合には、私は「数」として発言する。例えばデモや意見公募への送信)

 

真の敵は、個々人の意見が「数」に動員されて「数」の大小を競うバトルの構造になり、言葉をつぐむことが無関心や黙殺と直ちに同一視されるせいで、私の意見を「数」に託して鮮度のある今のうちに言わなければならない=構造に乗り遅れまいと言葉を加速させることだ。

敵は加速を促すこの構造で、加速が引き起こすのは忘却だ。確かにあの一報を聞いた瞬間はあんなに悲しく憤ったのに、翌日には別の悪事が報道されるから、個別の悪事を覚えていられなくなる。

私は発言をすることで発言の「数」に動員されたり、発言をしないことで「発言をしない人の数」に加えられないように、「すぐに・それと分かる個々の具体的な事例については言わない」ようにしようと思った。

(これも前の段と食い違っているが)私の特性は言論(=具体的な事象の批評)を書くのに向いていない。現実の具体的な個々の問題・事件・事故・加害・被害などそれらの悪事に対して、私はそれを直接に書かない方がいいだろう。

私が他の人よりも誠意を持って書けるのは、個別の事象の事実関係の解説や意見ではなく、さまざまな事象の間にある事実ではなく精神的なこの世の真実の繋がりのことを一度抽象化したり別の物語の中で描くことだ。過去に旅行記『連ねたり想う Vol.1』(BOOTH 架空ストア)の序文に書いたとおり、私は星座をつくる個々の星々ではなく、夜空を見上げても見つからない星座の線に関心がある。

個々の事象を抽象化して共通する真実を探して作品に託すようにすれば、作品は意見として「数」には動員されない。個別の悪事を取り扱わないことで、過去に起きた悪事もまだ発覚していない悪事も限られた点数の作品で包摂することができる。よって私はフィクションを作る。


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来月もどうぞ宜しくお願いします。

Author : 山川 夜高

山川 夜高

libsy 管理人。DTP・webデザインを中心とした文化的何でも屋。
このサイトでは自作品(小説・美術作品)の発表と成果物の紹介をしています。blogではDTP等のTIPSを中心に自由研究を掲載しています。
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