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書籍作品をお求めの方へ、通販と直近の即売会イベントへの委託参加のお知らせです。
1. 書籍通販 送料変更のお知らせ
2018年7月下旬から休止していたシーサイドブックスの書籍通販(BOOTH)を本日2018年11月1日から再開しました。
こちらで予告していた通り、発送方法を従来の自宅発送から「あんしんboothパック」という匿名サービスに変更しました。
「あんしんboothパック」では、購入者様の住所・氏名などの個人情報がショップのオーナー(私)に通知されず、匿名で購入することができます。今後、より安全に作品をお買い求めいただけるようになります。
従来の自宅発送では書籍代に送料が含まれていましたが、「あんしんboothパック」は1回の発送につき送料が別途350円(税込,日本国内一律)加算されます。
新しい料金体系になったシーサイドブックスの書籍通販を今後とも宜しくお願い致します。
2. 第27回文学フリマ東京 委託参加のお知らせ
第27回文学フリマ東京
開催日時:
開催場所:東京流通センター 第二展示場(東京モノレール「流通センター駅」徒歩1分)
主催:文学フリマ事務局(Twitter:@Bunfreeofficial)
入場無料!
11月25日(日)、いつも出店者としても参加者(買い物客)としてもお世話になっている同人誌即売会「文学フリマ」の27回目が東京で開催されます。
前回の第26回文学フリマでもお世話になった、風野湊さんのブース「呼吸書房」で、今回も『Cipher』を委託販売させていただきます。
文学フリマのブース番号出てましたね!(*'ω'*) 呼吸書房はイ-47です。既刊と、現在制作中の雑誌スタイル新刊を持ってゆく予定です…!!
— 風野 湊@11/25文学フリマ東京イ47 (@feelingskyblue) 2018年10月21日
*
【第二十七回文学フリマ東京 11/25(日)開催】
イ-47「呼吸書房」
イベント詳細(入場無料!)→ https://t.co/4OKJj73NJr https://t.co/ZSW0lDGnc7 #文学フリマ
場所は会場2F「小説|ファンタジー・幻想文学」エリア内「イ-47 呼吸書房」です。詳細は文学フリマwebカタログ「呼吸書房」のページをご覧ください。
風野湊さんはバックパッカーで世界各国を旅行された経験があり、このたびの2ヶ月欧州旅行でもたくさんアドバイスをいただき、とてもお世話になりました。旅程を組むときや旅荷物の確認に、風野湊さんの旅行記『旅人よ立ち止まれ』がとても参考になりました(具体的にどの道具が役立つかというアドバイスだけでなく、孤独に対する心構えについても)。
風野湊さんの作品紹介は、前回・第26回文学フリマのご案内のブログ記事を御覧ください。
›› 前回記事: 5月6日文学フリマ東京『Cipher』委託参加
今回は新作書籍(新作長編の冒頭部分と旅行記などを抜粋した雑誌)があるようで、とても楽しみです! ぜひブースに遊びに来てください。当日は私も店番に入っています。
以下、前回記事(第26回文学フリマ時)にも掲載した『Cipher』の紹介文を再掲します。
『Cipher』は残部わずかで、年内の増刷はありません。次回・来年5月開催の第28回文学フリマ東京には参加する予定なので、来年春までに増刷します。
真っ黒い闇のような本はほかにそうないと思います。単価がちょっと高いので、立ち読みだけでもブースに遊びに来てくれたら嬉しいです。
当日会えるのを楽しみにしています:)
(再掲)『Cipher』について
今回委託予定の、山川夜高さん @mtn_river による『Cipher』は、ご覧のとおり、黒い紙に黒いインクで記された特殊装丁の本です。読まれることを拒むような佇まい、黒揚羽の鱗粉を思わせる文字を、ぜひお手に取ってご覧下さい。#bunfreehttps://t.co/rPmza6oVuq pic.twitter.com/oFodK3xJJi
— 風野 湊@5/6(日)文フリ東京 (@feelingskyblue) 2018年5月3日
黒い紙に黒いインクで印刷し、可読性がとても低い、という内容の特殊装丁本です。
もともと2014年に手製本で発行をはじめましたが、2016年からオンデマンドプリントでの制作に切り替えました。風野さんのお手元にあるのは手製本版(ツイート内の写真左)で、現行版(写真右)の方が読みやすいです。
2014年作なので、いま振り返るとちょっと感情的過ぎるだとか反省点はあります。しかし「フィクションと現実の関係」に対する私の態度はいちばん良く現れている作品であると思います。
あらすじ
黒い紙に黒いインクで印刷された「読めない本」。
物語を読むことは、時に悲しい事件の追体験であり、読書によって登場人物のプライバシーは暴かれる。
この本は物語を読み解くという行為自体を問い、物語と登場人物・本と読者の関係・文字が「見える」「読める」(「読み間違える」)ということが一体何であるかを語る。
§
テーマパークのように娯楽芸術が異常発達し、すべてが観光客のために誂えられた「街」。なかでも演劇は街の一大産業であり、巨大劇場「鴉座」がその権威を掌握していた。
労働者向けの安酒場でピアノを弾くXのもとに、「鴉座」の色物舞台俳優・0が来店する。交友をはじめる二人だが、0は日々に疲弊し、Xは離人感を抱えていた。
読書とは、文字や絵を見て内容(物語)を発見する(discover・覆いを取り払う)ことです。読者が知っている「物語」は、読者が読めた内容だけです。しかし、この本はとても読みにくいので、一字一句正確に読むことは難しいです。
黒い紙に黒いインクで印刷しているので、読者は読み解くのに苦労を強いられます。目や感覚が酷使されるうちに、「見る」ことの能動性(見よう・知ろうと頑張っている自分自身)に気づきます。読めずに諦めるも良し、読み間違いながら読み続けるも良し、あるいは、読めるけど、読むのをやめて本を閉じてしまうも良しです。
この装丁は、物語の登場人物から読者に対する「物語を知られたくない」という拒絶です。読者が物語を読まなければ、(読者のなかでは)物語の悲劇を防ぐことができます。
この装丁は、テキストから読者に対する、読者の「読み間違い」への許容です。読者によって物語の「読めたもの」は変わります。ここでは真に読者と作品の一対一の関係が築かれます。
「まやかしだとしてもここは慰めの街で、おれたちはここに流れ着いた身分で、ボロボロになった人達が最期に訪れるための世界なんだよ」
(山川夜高『Cipher』)
持ち込み部数はかなり少なく、在庫も僅かです。文学フリマ当日分は、山川までご連絡いただければ取り置きしますので、あらかじめご連絡ください。(Twitter @mtn_river)