小説の登場人物をもとに「イメージカクテル」を作ってくれるお店に行ってきた日記です。
このブログでは私の作品や同行者の作品の読者向けに「このキャラクターでイメージカクテルを作ったらこうなった」日記を記します。
よって 小説の内容のネタバレを含み 、かつ 小説の内容を知らなければ意味不明な内容 であることをご承知おきください。
(要はこの機会に 小説 読んでね!)
タイトルは偽りも誇大広告でもない怖い話。まさかあんなことになるなんて……
〜 お酒ははたちになってから 〜
一緒に行った人
小町紗良さん
SNS @srxxxgrgr@misskey.design
Website https://lit.link/srxxxgrgr
小説書くマン1。新作の進捗が悪い。
キャラクターイメージアイテムの沼にいち早く落ちており、つい先日イメージ香水もオーダーしていた。
以前にもイメージカクテルを注文したことがあり、そのときの記録をnoteに書かれています。
風野湊さん
SNS @feelingskyblue@misskey.design
Website https://kokyushobo.com
小説書くマン2。新作の進捗が悪い。
代表作が樹木変身譚『すべての樹木は光』なので(?)、山川は「イメージカクテルって樹液ですか?」とコメント。話を聞いた小町さんには「カブトムシちゃうねんぞ」と突っ込まれた。っていうか人間のイメージカクテルは血液ではないので、樹木のイメージカクテルも樹液ではないのは当たり前。
山川夜高
私です。この記事を書いた人。
小説書くマン3。新作の進捗が悪い。
小町さん・風野さんのイメージカクテルを生で見たいから着いてきた。偏食のせいでオーダーが面倒くさいことになる(後述)
Q. 貴重な週末を潰して酒を飲みに行かずに原稿を進めたらどうですか?
A. うるせー
訪問したお店
inf(東京都杉並区西荻窪3-30-11)
※予約制
こちらのバー「inf」では、作品・キャラクター・芸能人等をイメージしてオーダーするカクテルは「コンセプトカクテル」、他者やペットとの思い出や風景をイメージしてオーダーするカクテルは「メモリアルカクテル」と呼んでいる。
以下の記事で「イメージカクテル」と呼んでいるものは、「inf」では「コンセプトカクテル」のメニューに該当します。
カクテルをキメよう 〜予約から入店まで〜
写真だけ見たいせっかちな人は次のページにジャンプしてください。
経験者は語る、誰かと行った方がいい説
小町さんのレポを読んで「そんなに平常心を失うほど楽しいものか」と、話を聞いているだけの我々も興味が湧いてきた。
小町さんのnoteに書かれていたが、やっぱり複数人で行ったほうが楽しい……というより、一人で行くとその場の喜びを共有できる相手がいなくて、時間というかパッションを持て余してしまうようだ。
というわけで、経験者を交えた方がなにかと都合が良さそうなので、小町さんも誘って3人で「inf」の予約をいれた。
誰にしよう?
さて、誰をオーダーするか、相当迷うことになった。
好きなキャラクターならたくさんいる。だが、カクテルは飲み物なので、「カクテルにして飲みたいかどうか」で考えると意外と思いつかない。
オーダー前にはああだこうだと心配し、また私の体質などからいくつかの障壁が見つかった。
今だからこそ思うけど、ここで障壁として上げたものは、あんまり気にしなくても大丈夫そうである。
障壁1:偏食
さっそく自分で自分の出鼻をくじくが、私は果物の味が嫌いだ。果物自体も、果物味の無果汁のお菓子なんかも全部食べられない。
しかしレモン・ライムのような酸味はOK、ブドウジュースは嫌いだけどブドウ酒はOK(ペルーのピスコとかは美味しかった)、という自分で書いても面倒な舌をしている。
なので「果物味になりそうなキャラクター」(イメージカラーが黄色やピンクの人物)は自動的に弾かれた。
例えば 秋山聖(創作バンド Drive to Pluto Vo./Gt.)は好きなキャラクターなのでオーダーしたかったが、たぶん果物系の味になりそうなので除外した。
そんなわけで頭の中で結構な人数が私の偏食のせいでふるい落とされる。もちろんオーダーシートに「果物NG」と書けばいいし、そのように書いたんだけど、何だか本来発揮されるべきポテンシャルが作者自身の偏食のせいで発揮されないのは残念だ。
こんなふうにまだオーダーしてもいないのに、頭の中の「解釈違い」に悩む羽目になるし、オーダー時には己の偏食のせいでネタバレを食らうことになる(後述。お店は悪くない)
障壁2:度数
オーダーするのは酒なので、アルコール度数の強弱はある。そして私は体質的にアルコールをそんなに飲めない。
「inf」のオーダーシートには度数の希望を書く欄もあり、弱め〜強めのほか、ノンアルコールでもオーダーできる。
が、やっぱり、本来度数強めのキャラクターのゲインを下げてほしくねえよなァ! と注文前に解釈違いが暴発してしまう。
というわけで、依然として私のイメージでしかないが、「度数の高くなさそうなキャラクター」または「度数を落としても解釈違いにならないキャラクター」から選択することにした。う〜ん。
ここで除外したはずのキャラクターがまさかあんなことになるなんて、当時の私はまったく予想していないのだった。
障壁3:撮れ高
上記のとおり、お酒の味でさんざん悩んでいるというのに、ここにきて更に欲をかきはじめる。
せっかくオーダーするなら面白い結果になったほうが良い。「面白い」すなわち「予想のつかないオーダーをしたい」と思った。
例えばの話、『Solarfault, 空は晴れて』の「シロップ」(身内では青汁と呼んでいる)をイメージしたドリンクの見た目は、読者は皆が「予想がつく」と思う。そういうものの「再現」も楽しいといえば楽しいが、「再現」止まりになってしまって私の予想を超えないなら残念だ。
あとは例えば『Cipher』も見た目甘くて重いアイリッシュコーヒーみたいな墨汁が出てくるのではないかな……と想像した。今回の同行者のふたりや他の友人に尋ねてもおおむね同意された。
せっかくプロのバーテンダーに作ってもらうのだから、知らない味の飲み物が出てきてほしい。あわよくばこのブロク記事が面白くなってほしい。
(ところで青汁といい墨汁といい、もっと美味しそうなものの言い方はないのか。)
そしてこれも心配はいらず、特大の撮れ高があったわけで。
障壁4:ネタバレ
更に続く。
今回は同行者がいる&オーダーの結果をブログに書くので、未公開情報がキモになるキャラクターはオーダーシートに書けないし、書くとすっごいネタバレになるから書けない。
なので誰とは言えないが見送ったキャラクターがいた。いや〜見たかったな〜自分もな〜。いつか作品が完成してからの楽しみにすることにしよう。
オーダーシートを作るのが楽しい&難しい
オーダーシートは事前に「inf」のWebサイトからDLできる。予め書いて持参したほうがスマート。
オーダーシートの項目は、キャラ名のほか、「性別・年齢」「身長・体格」「イメージカラー」「イメージモチーフ」「性格」「キャラクターの好きなところ」と多岐にわたる。
詳しく書いた方がお店はイメージを掴めるけれど、文字数には制限がある。つまり短く・的確に、自分の作品のキャラクターの長所を自分で答える必要がある。
オーダーシートをいざ書き始めると、「このキャラクターは自分が思うほど本当に魅力的なのか?」「魅力が伝わるのか?」と悩みまくった。
自分で自分の作品の良いと思っている点を、作品を読んだことのない人に伝えるのはとても難しい。逆に言えばオーダーシートを埋めることが、キャラクターの掘り下げやプレゼンテーションの練習にもなるだろう。カクテルのオーダーの予定がない人も、自分で「もしオーダーするなら」を想像しながら項目を埋めてみると楽しそうだ。
自キャラより同行者の作品のキャラが見たい
事前に(小町さんが自分のキャラクターのイメージ香水を開封している実況放送のときに)、小町さん・風野さんと、誰をオーダーするか、文面をどうするか、ああだこうだと話しながら書くのが楽しかった。
「キャラAにしようかな」と言っているところに「Aはシトラス系の味のイメージ」と勝手に味やカラーを想像したり、「BやCも見てみたい」と言ったり。いろいろ話していると、作品のメインキャラ全員分が見てみたくなってきてしまう。
皆が選んだキャラクター
私のオーダー内容はこのあとに記載するが、各作者さんのオーダー内容はそれぞれのブログやSNSをチェックしてください。
小町紗良さん:スカーレット(創作バンド little black dress)
紹介イラストは以前小町紗良誕生日記念ピックアップガチャで描いたイラスト。
創作バンド little black dress キャラクター紹介
https://misskey.design/notes/9h7hm5tyvt
小町さんは、little black dress のメンバーのうちロリータちゃんの概念香水を先日オーダーしていた。だから今回のカクテルはスカーレットちゃんとウェンズデーちゃんで迷ったそうだ。サブリナちゃんはワイン一択とのことで除外された。
きらびやかでカワイイのが来そうで楽しみ! あと度数強そう。(小町さんがお酒強いのもある)
風野湊さん:ユハ(小説『すべての樹木は光』+続編制作中)
以前風野さんのお誕生日祝いに描いたイラスト。
(キャラクターデザインは私の想像によるものです)
小説『すべての樹木は光』
https://kokyushobo.com/book/trees_light/
当初は同作品登場人物のニイジェさんをオーダー予定(で山川が「樹液では?」と茶々を入れました)が、ニイジェさんより想像つかないユハさんも見たい、ということでこうなりました。
味の想像がまったくつかない。風野さんは「紅茶ベースかな?」と想像していたけど当たるでしょうか。
山川:二択まで絞った
案1:完結した作品『Cipher』からX
小説『Cipher』
https://libsy.net/cipher
小町さんは0が見たいといい、風野さんはXが見たいと言い、私は正直両方見たかった(2人組でオーダーするか迷った)。0はちょっと度数等の問題にに引っかかり、Xの方がどんなふうになるか端的に予想がつかないので、今回はXにした。たぶんチョコレート味だと思うけど……?
案2:書き途中の作品から明日未
創作バンド This Earth Is Destroyed
Vo./Gt./etc.
キャラ紹介
https://libsy.net/blog/2357
こちらは書き途中の作品から、キャラクターの掘り下げになることを期待して候補に上がった。
でもバンドもののイメージカクテルってライブハウスの「プラコップに入ったうっすいジントニックとか(D代500円)」じゃないっすか? とは思わないでもない。
ほか書きかけの(掘り下げたい)人物には カシマ(環-Tamaki- Vo./Ba.)などがいたが、カシマくんは顔がカシスオレンジなので(?)私の偏食にひっかかってボツになった。
バンドものは登場人物がたくさんいるので選ぶのが大変だな……
あとは、同行者がオーダーするキャラクターがふたりとも女性キャラなので、こちらも女性キャラで揃えた方が絵面が可愛くなるかも? という目論見もあった。
でもXにしようが明日未にしようが、ここに集まった人選がミュージシャン(スカーレット)・ミュージシャン(X or 明日未)・OL(ユハ)で、ユハさんが所在なくなるのは変わりない。
さて、ここまでめちゃくちゃ長くなりましたが、ようやく次のページから実際にお店に行ったレポがはじまります。
⚠注意:ここからネタバレあり
ここから各作者の作品の内容に触れ、いよいよ作品を読んでないと分からない内容になります。
各作者の作品を読んだことない方は、この機会にぜひお読みください!
小町紗良さん
ガーリーで洒脱で時々ハードボイルドな、芯の強い女の子たちの小説を書かれます。
SNS @srxxxgrgr@misskey.design
Website https://lit.link/srxxxgrgr
風野湊さん
人間中心のものの見方に異を唱える、樹木モチーフのファンタジー/純文学の小説を書かれます。
SNS @feelingskyblue@misskey.design
Website https://kokyushobo.com
山川夜高(筆者)
小町さんいわく、居心地良さと居心地悪さが同席して読者に判断を委ねる小説を書きます。
SNS @mtn_river@misskey.design
Website https://libsy.net/fiction