『オトノヨキカナ』やその他のDtP作品のネタバレを含みます。
作中の楽曲
作中で言及された曲です。どちらも有名といえば有名過ぎる曲ですが、興味ない方にはまったく興味がないと思いますし、本文での扱いが「概要を分かってないと笑えない」タイプのパロディなので、参考になれば嬉しいです。
ここで説明をしなくても、皆様は20世紀のチェコの作家の不条理小説(カフカ『変身』)を絡めてもついてこれる読者なのですから、20世紀のプログレッシブロックバンドをエッセンスに絡めてもついてこれると思います。私は皆様への熱い篤い信頼で作品を書いています。
それに皆様はこの文章をインターネットを通じて読んでいますので、分からない言葉が登場したときには、きっと新しいタブを開いて検索していただけると信じています。
King Crimson『21st Century Schizoid Man』(1969)
[amazonjs asin=”B07CCLPMRW” locale=”JP” title=”クリムゾン・キングの宮殿”]和訳歌詞はいろいろある(多義的で翻訳が難しい)ので各自ググってください。20世紀人である(キング・クリムゾンを親しんだ)ファイネッジレコーズの音楽家たちには、21世紀といえば統合失調(スキソイド)というイメージが強いという話です。
Eagles 『Hotel California』(1976)
[amazonjs asin=”B076CK8LZD” locale=”JP” title=”ホテル・カリフォルニア:40周年記念エディション”]歌詞を要約すると「足を踏み入れると二度と出られない」ホテル。歌詞なんか意味ねえよと聖クンは言っていますが、ここでの「ホテル」は詩としてのたとえ話で、実際には「時代の退廃」から逃れられないという意味合いが強いんじゃないかな。
とはいえ「ホテル」は歌詞のなかのたとえ話の筈です……えっ、実在するの? 帰ってこれるの?
和歌について
なかきよの とおのねふりの みなめさめ なみのりふねの おとのよきかな
永き夜の 遠の睡りの 皆目醒め 波乗り船の 音の良き哉
古い回文の和歌です。文字の運びが「め」を挟んで対称になっています。
正月2日の夜の初夢に、吉夢をみるために七福神の宝船の絵を枕の下に置く風習があり、特にその絵にあるこの歌を3度読んで寝ると吉夢になると信じられている。
また初夢に悪い夢を見てしまったときは、宝船を水に流すことで厄を払うことができるらしいです。(出典がウィキペディアのみで、参照元も明記されていませんが……)
あとがきめいた日記
こんなものを正月に読ませるな
ネタの小出しをやめ、作品にはいま出来る全力を注ぐことにしました。その結果がこれですよ。この題材にはいずれより詳細に迫る予定なので、ここでお披露目したことは間違いではありません。だからって正月に読ませなくても良くないか、たしかに年末年始をはじめ「祝祭」が不快・苦痛という人々がいて、そのことを今回は書きましたが、年賀状にURLを添付するのは間違いではないか、よって結果的に原稿を落としたのは正解ではないかと思っています(詭弁)
世間は平成が終わると騒いでいるところ、やっと20世紀が終わりました。「前半戦終了」の気分です。気分だけです。文字量はまだまだあります。
フィクションにおける「愛憎劇」や「共依存」なんかに全く賛同できなくて、なぜならどんなに愛し合っても(また憎んでも)、最後は、人は独りでそれぞれの道を歩むからです。人は個人であり、誰かと同化することはできないのに、ロックバンドという集合はあり得るのか、というのが、このシリーズのテーマ……かもしれません。
おまけ
写真嫌いの青野=「僕」の話の舞台は2001年5月です。
あのバラバラの物語と「彼女」については、登場人物はたったの2人。その実在の真偽もすべて任せよう。
と書かれています。実際に「彼女」はいたのか、いないのか、今後をお楽しみに。
こちらもぜひお聴きください
[amazonjs asin=”B000024D4S” locale=”JP” title=”Wish You Were Here”]このアルバムは『Darkside Of The Moon』や『Atom Heart Mother』よりは地味かもしれないけど、痛切さがひしひし伝わって、本当に好きです。
狂ったダイヤモンドのような才能の、あなたがここにいてほしい。