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すり抜け★4

「あれはコゲラかなあ」

「コゲラ?」

「あれもシジュウカラのお友達(混群の一員)で、スズメぐらいの大きさのキツツキで……」

そこまで適当に語って、あれ、なんか違うな? と思い、双眼鏡でよく見てみる。

コゲラは茶色と白のしましま模様だが、目の前にいる鳥はなんだか青灰色だ。

「あっ、あれコゲラじゃありません」

「シマエナガ?」

「あれは……ゴジュウカラです」

「なにそれ」

ゴジュウカラ、漢字で書くと五十雀。だがシジュウカラ(四十雀)の仲間ではない。和名の由来はよく分かってなく、シジュウカラ同様にスズメ50羽とこの鳥1羽を交換したから、などの説がある。

ゴジュウカラ

ゴジュウカラはスズメぐらいの小さな小鳥で、木の幹に垂直にとまることができるので、一見するとキツツキの仲間に見える。しかし、キツツキは幹に対して頭を上向きにしての移動しか出来ないが、ゴジュウカラは唯一幹に対して頭を下に向けて移動できる鳥だ。

1:30頃から頭を下にして幹を下る。

 

アタリといえばアタリだが……
「ピックアップの★3目当てにぶん回してたら全然関係ない★4がすり抜けてきた」現象に近い。

ゴジュウカラは(都内の)街中ではそんなに見かけないし、「幹に対して逆さ向きに移動できる」という面白い習性もあるので、ここで見られたことはもちろん嬉しかった。シマエナガじゃないけど!

「たぶんこのすり抜けで運を使い果たしたので帰りましょう……」

「そうだね、明日の登別できっと見られるよ……」

と、我々は公園を後にした。

これは後で知ったのだが、ゴジュウカラは北海道ではわりとよく見かける野鳥で、かつ、北海道のゴジュウカラは「シロハラゴジュウカラ」という本州のゴジュウカラとは違う亜種だった。本州のゴジュウカラは腹部が黄色いが、北海道の亜種シロハラゴジュウカラは名前の通り腹部が白い。

シロハラゴジュウカラも亜種シマエナガと同じく、北海道限定の野鳥だったのだ。

ゴジュウカラの北海道亜種「シロハラゴジュウカラ」

鳴き声は「フィー、フィー」

お腹をすかせて、カレーを食べよう

今日の昼食はスープカレー、夕食は北海道の回転寿司屋を案内してもらうことになっていた。カレーと寿司を一日で食べるなんてバカの食生活みたいだが、どちらもルチアナさんおすすめの名店なので、とても楽しみにしていた。

スープカレー店のほうは学園のそばにあり、お昼時には学生で満員になってしまうことがあるようで、少し遅い時間まで待つことにした。

ばったりシマエナガに出くわさないかなあと願いつつ、カレーのために腹を空かせる目論見もありつつ、秋の札幌郊外を散歩した。

途中で神社に立ち寄った。境内の森に生き物がいないかと思ったのだ。

北海道の神社には開拓の成功を祈願するものがあり、北海道神社庁が管理するその神社には「開拓三神」として大國魂大神(おおくにたまのおおかみ)、大名牟遲大神(おおなむぢのおおかみ)、少彦名大神(すくなひこなのおおかみ)が祀られていた。これらの神格は道内の他の「開拓神社」でも祀られているそうだ。そうか、北海道では神社の建立は明治以降だったな……と思い出した。

境内を歩いていると、木々の合間を走り回るエゾリスを見かけた。「エゾリスは北海道では★2だよ」とルチアナさんは言った。遠目に見ても、特徴的な長い耳の毛がよく分かる姿をしていた。またも無理やりFGOに例えるなら、操作キャラクターではなくフォウくん(ステータスの底上げに使うマスコットキャラ)のほうかな、なんて考えた。エゾリスは木に登ったり、地面に降りたりと忙しなく走り回っていた。冬に備えて餌を集めていたんだろう。 チタタプチタタプ

外であったエゾリス
外であったエゾリス posted by (C)野鳥大好き

川は、コンクリート固めの護岸工事はされておらず、枝葉が水面に影を落としトンネルのようになっていた。水際はきっと魚たちにとって過ごしよい隠れ家になっていることだろう。魚を求めて鳥も来る、きっとカワセミやアオサギがいるに違いない。

川辺で、パターゴルフかゲートボールをやっている老人たちを見かけた。彼らの荷物が見張りもなく放置されているのを見て、呆れ混じりに平和を噛み締めた。

公園や川辺には、夏の台風で折れた木が撤去されることもなくそのままの姿で残っていた。このエリアは地震よりも台風の被害がひどかったとルチアナさんは言っていた。札幌市内には、もともと湿地帯だったエリアを火山灰で造成して作った住宅地があり、地震による液状化の被害を受け、道が波打ったという。

9月、私はアイルランド・ダブリンにいた。そのころダブリンで出会った関西出身の留学生と、台風21号による関西の被害や北海道地震を話題にした。都内の自宅から日本国内の災害のニュースを聞くときよりも、あきらかに、国外から聞く日本の報せの方が、「痛ましさ」の度合いが増した。(AよりもBの方が痛ましいと思うことは、痛ましい出来事の順位付けに繋がる。Bに比べてAの傷が浅い、と比較することは本当はできないはずだ。)(「東京にいる者は地方の傷を痛ましいと認知しないのか?」という傲慢さが露呈したことを正直に書きたい。)なぜ、地球を半周した異国で聞いたニュースの方が、より痛みを感じたのか。

現場は大丈夫なのか、本当に危機に瀕しているのか、いま起こっていることの「手触り」が、遠方にいては掴みづらい。というか、たとえ東京にいようとも、ニュースを読んだだけでは何かを分かった気になるだけだ。事実は知っているけれども、知っているだけで何もしない。

いままで歴史の上で「知っているだけ」だったヨーロッパに足を運ぶことで、はじめて手触りを知ることができた(各都市数日の滞在だったので、知ったのはほんの表層に過ぎなかっただろうけど、まったく知らないよりはマシだろう)。遠くへ行く経験を通じてようやく、日本国内の「遠く」(地理的に遠い場所・東京にとっての関西や北海道)が「遠く」ではなく隣人であることを、隣人の痛みを想う感受性を獲得できた。(それまでは本当に、「東京以外」には無関心だった。その冷淡さは忘れずにここに書きたい。)

札幌市街地のインフラが回復したあとではあるが、今回は「現場」に行くことができて良かったと思う。折れた木を見て、「このあたりは液状化の被害があった」という市民の話を聞いて、観光業にたくさんお金を落として、ようやくこの土地の手触りを確かめられた。

 

で……お腹も空いたところで、電車とバスを乗り継いでスープカレー屋に行った。結論から言えば、とんでもなく美味しかった。

今回は食べ比べていないが、案内してもらった店は、札幌のスタンダードなスープカレーの味のようだ。

「北海道でよく食べられるスープカレーの、特別においしいお店」だとルチアナさんは紹介してくれた。とても美味しかったが、札幌市街地からは離れているので勧めにくい……。

札幌スープカレー

カレーにはインドカレーのお店・しょうがやたまねぎをたくさんいれてスパイスを効かせているお店・どこか和風な味つけのお店など、色々変わり種があるけれど、そのお店のスープカレーはさらさらした欧風カレーだった。しょうがやたまねぎをたくさん入れているカレーは、食べると身体の芯から温まるので私は大好きだが、やっぱり少し癖もあって苦手な人には勧められない。ここのスープカレーにはそういった癖がなく、とても食べやすかった。

白米・鶏肉・野菜はすべて北海道産を使っている。とにかく使っている食材が美味しかった。トッピングのじゃがいもは言わずもがな、ほうれん草や人参のような普通の野菜の美味しさにとても驚いた。

特別高価ではないにもかかわらず、本当に良いものを頂いたと思う。

食材の産地一覧

まだまだ美味しいものを食べます、夜はお寿司!

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Author : 山川 夜高

libsy 管理人。DTP・webデザインを中心とした文化的何でも屋。
このサイトでは自作品(小説・美術作品)の発表と成果物の紹介をしています。blogではDTP等のTIPSを中心に自由研究を掲載しています。
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