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『ファング』通販

先日5/19の文学フリマ東京38で、架空のロックバンドの新作小説『ファング』を発表しました。

文学フリマWebカタログ『ファング』
書籍仕様・あらすじ・登場人物紹介などを掲載しています。

このブログ記事では、作品の通販と、今後の『ファング』の情報についておしらせします。


あらすじ

1989年高円寺、失踪したギタリスト・ファングを探して、ベーシストのヒサシは「十字路の伝説」に潜む悪魔と対峙する。

才能を持つ者と持たざる者の友情と、青春の終わりを描いた、架空のロックバンドの伝奇小説。

イントロダクション

ロバート・ジョンソンは1930年に十字路で悪魔に魂を売り渡してブルース・ギターのテクニックを手に入れた。彼は契約の代償に27歳での死を運命づけられた。『クロス・ロード・ブルース』という歌が悪魔との出会いを自白していると囁かれている。
そんなのは全部嘘で、本当はその10年前にトミー・ジョンソンという同じ苗字の別のブルース・シンガーが自分自身の歌に箔をつけるために悪魔と契約したと吹聴して回ったんだ。彼は交差点で悪魔から才能を受け取ったと嘯いた。

「真夜中の交差点にギターを持ってひとりで立て。すると暗がりから黒い大男が現れて、魔法の力をもってお前のギターをチューニングするだろう。」

そんなのは全部嘘で、悪魔と最初に契約したミュージシャンはパガニーニだった。
そんなのは全部嘘だ。

ロバート・ジョンソンだかトミー・ジョンソンだかは2年の間行方をくらまし、帰ってきたときにはギターがものすごく上達していた。それは悪魔に魂を売ったからだ。周りの人はみんな信じた。
そんなのは全部嘘で、2年も特訓すればギターの腕は上達するものだ。

ロバート・ジョンソンが悪魔崇拝に傾倒したという記録は存在しない。
だが人々は十字路に立って中身のない伝説を囁き続けた。

噂話は十字路に沿って大陸を超えて四方へ旅立った。
悪魔の名前はサタンでもロノウェでもなく、もとはハイチのブードゥーの神パパ・レグバという名前だった。それはそもそも悪魔ではなく、アフリカから奴隷として連れて来られた人々に憑いていたアフリカ大陸に住まう古い精霊だった。

だが伝説だけが十字路で囁かれ、北アメリカとユーラシア大陸中の戦火を幾度も逃れながら世界中の交差点を点々と伝って伝説が極東の島国の首都に辿り着いたときには、神だか精霊だか悪魔だかの名前も、27歳で死んだギタリストの名前も、肌の色も真実も旅路のどこかで落としてしまって、

伝説の抜け殻だけがあとに残った。

ブルースの魂がフォークと出会いロックンロールが産声を上げてその血潮がレコードショップの店頭で細分化されたジャンルに溶けて流れ去ったいまとなっても、

伝説の抜け殻だけが魂を求めて十字路に立っている。

主な登場人物

ファング

バンドのボーカル・ギタリスト。27歳。
流しのシンガーソングライターで、アパートの家賃を滞納している。
サイケデリックフォークが好き。
好きなアルバムはニック・ドレイクの『Five Leaves Left』

ヒサシ

バンドのベーシスト。27歳。
TVCM制作会社で働いている。
スラッシュメタル、ハードコアが好き。
好きなアルバムはメガデスの『Peace Sells… But Who’s Buying?』

謙太

バンドのドラマー。25歳。
高円寺の(架空の)ライブハウス〈コールサック〉のアルバイト。
オルタナ、ミクスチャーが好き。
好きなアルバムはリプレイスメンツの『Let It Be』


通販

追記:
BOOTH・架空ストアともに、から通販を再開します。在庫復活までお待たせいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。

追記:
現在、BOOTH・架空ストアとも在庫が完売しました。増刷にはお時間を頂戴します。
各ストアの入荷通知機能をご利用頂くか、SNSなどによる通販再開のアナウンスをお待ちください。

BOOTH(要pixivアカウント)

商品ページ

https://libsy.booth.pm/items/5729515

送料

370円(匿名発送・ネコポス)

架空ストア

商品ページ

https://store.retro-biz.com/i22329.html

送料

架空ストア内商品の購入点数に応じて異なります。
詳しくは架空ストアのガイド「送料とお届け日数」のページをご覧ください。

完売後の取扱について

本作は手製本のコピー本のため、在庫切れ時の増刷に時間がかかります。
片方のストアの在庫がなくなった場合は、もう一方のストアの在庫をご確認ください。

本作は最初に仕入れた材料分以上の増刷を行わず、材料分の完売後は当サイト内の小説『Drive to Pluto』のページで全文を公開する予定です。


今後のイベント参加情報

2024年 参加イベント(開催終了)

2024/5/19(日) 文学フリマ東京38

2024/6/16(日) 文学フリマ岩手9

2024年 参加予定のイベント

2024/8/18(日) COMITIA149 F-02a シーサイドブックス

2024/9/8(日) 文学フリマ大阪12

2024/12/1(日) 文学フリマ東京39


あとがき・頂いた感想など

『ファング』に関する情報をブログ記事で公開しました。読了後お楽しみください。

『ファング』あとがき・設定・蛇足情報

終了:「ネタバレ禁止期間」について

追記:ネタバレ禁止期間は終了しました。今後、とくに伏せることなく登場人物などの絵を公開したり、『ファング』で書かれた情報が他の小説・漫画などで登場します。

本作『ファング』のネタバレ禁止期間について、作者・山川夜高は次のように振る舞います。

作者が自分自身に課した「ネタバレ禁止期間」です。
読者の皆様においては、ご感想やFAなどは一般的なネタバレ配慮設定のもとに自由に投稿いただければ幸いです(頂けたらとても嬉しい!)

 

5/19(日) 文学フリマ東京38当日 〜 6/2(日)

作品の設定・裏話・登場人物の絵・ネタ・セルフ二次創作投稿などを行いません。
(最速で書籍を購入した人がだいたい読み終わる頃を想定)

6/3(月) 〜 6/16(日) 文学フリマ岩手9当日

SNS「Misskey.design」上で、コンテンツの折り畳み+画像のセンシティブ設定(ワンクリックしないと画像を閲覧できないようにするぼかし設定)をしたうえで、作品の設定・裏話・登場人物の絵・ネタ・セルフ二次創作投稿などを投稿します。

※Misskeyは機能にコンテンツの折り畳み+画像のセンシティブ設定があって便利なため、基本的にはMisskeyで投稿します。

Twitterへの再投稿はMisskeyへの投稿の誘導リンクに留め、コンテンツの再投稿は行わなそうです。(未定)
毎月末のブログに掲載しているイラストまとめ「今月の活動報告」には再掲する予定です。

Misskey.design
@mtn.river@misskey.design

6/17(月)以降

他の発表済み作品と同じように、作品の設定・裏話・登場人物の絵・ネタ・セルフ二次創作投稿などを投稿していきます。

 

以上は、作者が自分自身に課した「ネタバレ禁止期間」です。
読者の皆様においては、ご感想やFAなどは一般的なネタバレ配慮設定のもとに自由に投稿いただければ幸いです(頂けたらとても嬉しい!)

匿名でのご感想の投稿も募集しています。
ご感想にネタバレが含まれる場合、私からの回答は遅れるかもしれませんが、宜しければご利用ください。
マシュマロ(匿名メッセージ投稿サービス)


関連作品『Drive to Pluto』

本作『ファング』は架空のロックバンドの小説シリーズ『Drive to Pluto』関連作品です。

サイトの小説や、SNSに掲載しているイラストをご覧いただくとより楽しめます。

小説

Drive to Pluto

Drive to Pluto

1997〜2006年に活動した架空のインディーズロックバンド・Drive to Pluto の「逸話」をつづるシリーズ。
1990〜2000年代の東京を舞台に、“歌詞があるのに歌が聴こえない”特異な楽曲を作る3ピースロックバンド・Drive to Plutoのメンバーと、彼らをとりまく人々や猫との出会いと別れを描く。

イラスト

現在はSNSに多く投稿しています。

Misskey.design
@mtn.river@misskey.design

ブログ内のタグ「今月の活動報告」で、その月に描いた絵をまとめています。

どうぞよろしくお願いいたします。

Author : 山川 夜高

山川 夜高

libsy 管理人。DTP・webデザインを中心とした文化的何でも屋。
このサイトでは自作品(小説・美術作品)の発表と成果物の紹介をしています。blogではDTP等のTIPSを中心に自由研究を掲載しています。
お問合わせは contact からお気軽に。

twitter @mtn_river
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