She Sells Sea Shells by the Seashore

青く白んだ霧の中の風景にSheが佇む。
空気の壁が目に見える。
どんなに傍にいようとも人は空気で隔てられている。
灰塵を巻き上げ空気は巡り停滞する。
吸って吐いてを繰り返し吐息を大気に攪拌する。
この吸気は誰かの吐息であり、人は肺から蝕まれて混ざり合う。
新しい空気なんてどこにもなかった。
風景が淀んでいるのは空気を可視化してみただけの話。

空気で隔てられていればいるほど青く白んで見えるから。

同じ一室にいるというのに窓辺のSheは遠くの風景のように見える。
近づくほど空気はかすみ傍でとらえることは出来ない。

蒼白で少し疲れたような女の子。
煙草から滲む吐息。

窓枠に跨って灰を空に降らせる。
何度となく繰り返した。

吐息に匂いを付けて存在を煙に巻くつもりかい?

肌に触れる。
ひとはいつだって空気に触れている。
隔てられている。
触れるでもしない限り。

本作は2013年に初版を発行した特殊装丁の小さな冊子『She Sells Sea Shells by the Seashore』をWeb用に再編したものです。
『She Sells~』はランダムな15枚の紙片から成る作品です。
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