66:K缶
R2、L1、R2、R2、↑、×、→、○、↓、△、
L2、R1、R2、L1、□、□、
START で、おk
67:†闇巫ノ騎士†(エーコ派)
サンクス
この機能知らんかったわ…スタッフもよく仕組んだよな
68:名無し(クイナ派)
今日のIXスレ
69:名無し(ブラネ派)
↑ちょwwwクイナ派www幸せアルよwwww
70:celesta
こんばんは。ご迷惑をおかけしました。
さっき、あの公園を訪ねてきました。
71:†闇巫ノ騎士†
celesta殿!無事であったか
72:celesta
>†闇巫ノ騎士†さん
はい、大丈夫です(o^-^o)
公園に悪霊はいませんでした。ここのスレ主は偽物でした。私は公園でスレ主に会いました。スレ主さんは深く反省していたようなので、もうここに来ることはないと思います。
そもそも公園に幽霊はいません。実は全部、近所の人のイタズラだそうです。私はその人にも会ってきました。その人はもうポタージュ様を止めると言いました。
近所にも迷惑だから、公園にポタージュ様を見に来るのも止めてほしい、と言っていました。
私はその人の代理に書き込みをしています。
みなさんに迷惑をかけてしまい、ごめんなさい。
私も、しばらく書き込みを控えます。
73:名無し
スレ主→ポタージュ様なりすまし
ポタージュ様→近所の住人によるなりすまし
二重なりすましって事?
74:†闇巫ノ騎士†
いや、前に公園行ったことがあるけど、確かに缶が浮いたりヒザカックンがあったりetc..
霊気も感じたし
75:匿名希望
>>74
五百円返せ
76:†闇巫ノ騎士†[mail]
>>75 除霊が終わっていないので返還しかねます
>>celesta殿
何かあったらいつでも1コインで除霊しますよ(^.^)
77:名無し(ダガー長髪派)
親父の500円返せ
78:名無し
celestaは女の子?
[あと22件書き込み可能]
これは怪談ではない
深夜、交番の戸を叩いたのは一人の男であった。男はトレンチコートを羽織った“だけ”の出で立ちであり、前ボタンは全開である。息は切れ切れになり目には大粒の涙を浮かべ、だらりと鼻血を垂らした男は、必死の形相で戸を叩いていた。多重の意味で尋常でない気配を察した巡査・高田 敬司はすみやかに男を中に招いた。
「ごご、ごめんなざい、ごべんばざび……!」
開口一番に鼻声の謝罪を受け、巡査はひどく困惑した。というよりもまず、目の遣り場に困ってしまった。
「……ひとまず前ボタンを閉めませんか?」
ばび、と男は震える手でボタンを閉めた。椅子に掛けさせ、高田巡査は巡査長と共に聴取にのぞんだ。男はこう語った。
たった今、駅近辺から×公園に至るまで、中高生と思われる少女をストーキングした。自分はネットの掲示板で少女と出会う約束をしていた。少女を公園に追い詰めてから、自分はコートを脱ぎ、少女に見せつけた。
更に自分は少女に強要しようとした。
すると突然どこからか、何者かに腹を蹴飛ばされた。
「蹴飛ばされた? 女性が、ではなく」
ぞうでず、と男は涙と鼻水を交えて語る。
確かにあの公園には、自分と少女以外居なかったはずだ。しかし自分が蹴られたあと、自分の目の前から男の声がし、またもう一発殴られた。でもどんなに辺りを見渡しても、男の姿はどこにも無い。男の声に自首を促され、その場に居るのも怖くなったから、出頭した。
「やっばり居だんでず、あぞごにはポダージュざまがぁ……」
巡査長は訳が分からず高田に尋ねた。
「何だ? その……ナントカ様というのは」
「ネットで流れている都市伝説です。そこの公園にポタージュ様という悪霊がいるとか」
「ポタージュ様ぁ?」
馬鹿馬鹿しい。巡査長は疑いを抱いたままであるが、
「ほんどうに居だんでづよぉお!」
男は真っ青な顔で泣き付いた。この様子だと相当恐ろしい目に遭ったらしい。巡査長はため息をつき聴取を続けた。
* * *
取調を終え男を帰し、巡査長と別れてから、高田は携帯電話を開いた。
――巡査長に「ポタージュ様」を訊かれた時はさすがに焦った。
先程のポタージュ様の解説に、高田は肝心な点を濁していた。
高田も、悪霊に遭遇した内の一人である。パトロールと称して公園に向かったことがあるのだが、まさか腰を抜かして逃げ帰ったなんて、巡査長には死んでも言えない。男の恐怖体験に高田は少なからず同情していた。
彼は個人的にポタージュ様の調査を行っていた。携帯からT市のBBSに接続する。そして目当てのスレッドを発見した。聴取の時から彼の心はその場を逸れていた。
――驚いた。まさか「悪霊」本人に会うとは……。
今日の夕方、ハンドルネーム「celesta」は「悪霊」に対し、「会いに行きたい」と書き込んだ。その時は嘘かと思ったが、男の証言からすると、男とcelestaは本当に出会った。男は「本物のポタージュ様に会って殴られた」と発言しているのだから、現場にいたcelestaもポタージュ様を認知したはずだ。
BBSにはcelestaの発言があった。悪霊目当てであり、恐らくオカルトファンのcelestaなら、詳しく書き込みをすることだろう。
しかし高田の予想は大きく外れた。
――おかしい。
――嘘をついている?
celestaは「悪霊」のわいせつ行為には一切触れなかった。それは彼女の羞恥であるから構わない。そうではない、彼女は
そもそも公園に幽霊はいません。
実は全部、近所の人のイタズラ
だと言う。そんな筈は無いと高田は思う。あそこまで手の込んだイタズラがあるものだろうか?
「悪霊」に対峙した事のある高田は考える。イタズラの筈は無い。怪奇現象はみな目の前で起こったのだ。これは尾びれの付いたありきたりの怪談ではない。celestaは怪談目当てに公園を訪れたはずだ。なぜ、素直に本物の「悪霊」に会った事を話さない?
ふと高田は思う。
――celestaは、「ポタージュ様」と関わりがあるのか?
根拠の無い思いつきだったが、自身の発想に彼の心は少なからず躍った。
――celestaは何者かを庇っている。それとも、口止めされている?
分からないことだらけだった。それでも彼にとっては十分だった。ネットの奴らは偽の悪霊とcelestaのやりとりも、celestaが嘘をついた事も知らないのだから。
――俺はきっと世の中の誰よりも、真相に近づきつつある。
暫くは静観していようと高田は決意した。下手に書き込みをしたら自身の素性が露見てしまう。
幼い頃に夢見た名探偵や名刑事は、こういう心地だったのだろうか。
高鳴る胸を抑え、高田敬司は一言だけ返信を打った。
79:K缶
事件にならなくてなにより